横浜市では小学1年生から英語の取り組みが始まります。課題は英語を使うコミュニケーションの楽しさをどう伝えるか。
市教委にインターネットを使った国際教育ネットワークへの参加を提案しています。
各教室のパソコンを有効活用して、世界の子どもたちとリアルタイムで出会う生きたコミュニケーション体験を実現します。主催するのはiEARN(アイアーン)という国際NGO。ぬいぐるみを交換留学させる「テディベアプロジェクト」、阪神淡路大震災を契機に神戸から立ち上がった「防災世界こども会議」など、様々なプロジェクトがあります。
世界120カ国・地域、2万5千校、210万人の子どもたちが、インターネット上のフォーラムやテレビ会議、実際に各国の子どもたちが集う国際会議を通して、意見を述べ合い、話し合い、友情を育んでいます。未来を担う横浜の子どもたちに、世界の人々と心豊かなコミュニケーションをとる力を身につけてもらいたいと思います。
「テディベアプロジェクト」
テディベアプロジェクトはこんな風に進みます。
まず、交換留学をする相手先探し。たとえば横浜の学校とカナダの学校がインターネットのフォーラム(会議場)を通して、交換留の約束を結びます。
次にクラスの代表となるぬいぐるみを決めて名前をつけます。そしてカナダに送り出すために服やお土産をそろえて郵送します。自分たちの代表ですから日本の文化や暮らしを伝えるために何を送ったらよいかを相談して決めることになります。相手方からの留学生(ぬいぐるみ)も同じように、カナダの子どもたちが工夫を凝らしたお土産とともに届きます。
昼間はクラスで一緒に過ごし、夜は、子どもたちが順番に家に連れて帰り日本ならでは体験をさせていきます。お風呂に入れたり、花火をしたり、お寿司を食べに行ったり、それぞれ子どもたちがおもいおもいの体験させて内容を日記にして報告します。
留学中の様子はインターネット上で写真などもそえて、相手の学校に報告します。このように一学期を一緒に過ごし、カナダに返してあげることになります。
こうしたやりとりの中で、たとえ自分が実際に留学しなくても、ぬいぐるみを通して生きたコミュニケーション体験をすることができます。大切なのは、日本人として外国に向けて何を伝えるかを考えること、発信すべき内容をみんなで考えることがコミュニケーションの出発点になります。
以下の記事は中国新聞 2006年10月26日
「横浜市への提案」
横浜市の小中学校のプログラムとしてアイアーンのプロジェクトを採用してもらいたいと、提案していますがなかなか横浜市教育委員会は動きません。
小中学校では各教室にパソコン、LANが整っていますが、それをどのように使うのか。インターネットで調べ物をしたり、教育用の教材CD-ROMをいじってみたりといった程度しか使っていないのが実態です。もっと、インターネット本来の可能性を最大限活かした教育プログラムを展開してもらいたいと強くお願いしています。
その点、アイアーンのプロジェクトは、インターネットが国を超えたコミュニケーションのチャンスを創ります。追加コストもほとんどかからず、世界と交信できる、まさにインターネットならでは世界。デジタル写真の交換から、WEBカメラによるテレビ会議まで、可能性はどんどん広がります。
ある中学校の英語の先生にお話しましたが、その先生からは「面白そうだが、とても余裕がない。決められたカリキュラムを消化するのがやっと。それに、こうしたプログラムを実施した場合、どうやって評価するのか?評価できないと困る」 とのこと。余裕がないのはわかります。評価しなければならないのもわかります。でも、カリキュラム、教科書の勉強、成績も大切ですが、もっと大切なことがあるのではないか。子どもたちに本物の海外とのコミュニケーション体験をさせてあげることは英語やその他の教科を学ぶ上でも重要ではないか。
余裕のない英語の教育現場に無理は言えませんので、総合学習の時間である「横浜の時間」でこういったプログラムに取り組めないか、教育主事の先生にプレゼンテーションを聞いていただきました。残念ながらいまのところ反応なし。新しいことチャレンジする横浜市になってもらいたい。あきらめるわけにはいきません。モデルとなってもらえる学校を探していきます。興味のある方、推薦いただける学校がありましたらご連絡ください。よろしくお願いいたします。
山崎誠政策研究所のブログページ http://makoto5050.typepad.jp/
日本の本部ジェイアーンのホームページ http://www.jearn.jp/japan/
下の写真は教育委員会へのプレゼンテーション、15、6名の教育主事の方に聞いていただきました。プレゼンテーターはjERANの高木理事長、神戸のからお越しいただきました。
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