東日本大震災、福島原発事故を受けて、新成長戦略の見直しの作業が始まっています。エネルギー戦略を議論する「エネルギー・環境会議」を立ち上げ進めるとのこと、「革新的エネルギー・環境戦略」と題して戦略がつくられます。
問題はその方向性。日本社会のこれまでの成長・発展への問題が提起されたいま、抜本的に今後の日本のあり方を議論し、方向付けてゆかなければならないはず。しかし、提起されている論点は、これまでのエネルギー戦略を延長しているに過ぎない。自然エネルギーを伸ばすと言いつつも、原子力は安全を確保して今後も維持する方向、「エネルギー・環境」とうたうも環境については自然エネルギーの普及に言及するのみ、いかにして環境を守るか、自然共生といった点については具体的な問題提起なし。
経産省主導の戦略策定になっていないか。添付のたたたき台を誰が作ったか確認したところ、内閣の国家戦略室で作成したとのこと、さらにメンバーを確認すると、経産省出身の審議官、企画官、企画調査官の3名+環境省出身の企画官1名、計4名が担当とのこと、結局、経産省がつくった筋書きにのっていることは明白。
それにしても現行のエネルギー基本計画はひどい。昨年改正された計画ですから、責任がある。力およばず、恥ずかしい限りです。
エネルギー政策を民主化せよとの飯田哲也氏の主張(世界の2011.7月号)はもっとも。このままでは日本は変わらない、変われない。民主党による政権交代も残念ながら不十分。形だけの民主主義を市民の力で打破する、政治を市民の手に取り戻す大改革が必要です。
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