環境委員会の質問の機会をいただきました。議題は「環境影響評価法の一部を改正する法律案について」、通常国会に引き続いて、環境アセスメント制度について議論しました。冒頭、他界した母の思い出にふれ、失われてゆく日本の自然に対する危機感について述べました。時代は転機にあります。環境でこの世界を変えてゆきたいと改めて決意致しました。
質問の冒頭は以下の通りです。詳しくはインターネットの中継録画をご覧ください。
「冒頭、貴重なお時間ではございますが、少し私事に触れさせていただくことお許しください。5日前の日曜日に母が他界いたしました。昨日、告別式を済ませましたが、その間、母との思い出について思い返すこととなりました。
母は新潟県の糸魚川市に生まれました。家族は東京練馬に住んでおりましたが、小学生くらいまでは毎年、夏休みになると母に連れられて糸魚川で夏休みを過ごしておりました。その当時の糸魚川には、ハマヒルガオが咲く美しい砂浜、北アルプスの清らかな水を集める川、豊かな実りに輝く水田、むせるような香りのするトマト畑、まさに日本の原風景といえる里山、里地、里海が広がっておりました。母の思い出はそうした美しい自然と重なり、今でも私の心を豊かにしてくれています。
そうした糸魚川の豊かな自然は今どうなっているか。例えば、海岸は、川がコンクリートで固められ港が建設されたことにより、海の流れが変わり砂浜の浸食がすすみ今では砂浜はありません。防波堤がつづく海岸線、テトラポットが並んでいる。緑の絨毯のように広がっていた水田も宅地化されたり、工場が建てられ激変しております。新幹線の工事が進み、高速道、バイパスが建設され、里地は壊され里海と里山は分断されてしまいました。
いま、私の母が与えてくれた豊かな自然との触れ合いの機会、ふるさとを私たちの子どもの世代に受け渡すことができるのか。危機感を感じています。もちろんそれぞれの開発にはそれなりの意味があるとはいえ、そうした開発を決めるときに、どれだけ失われてゆく自然の価値に思いを巡らせたか。今からでも遅くない、ここで我々は立ち止まって、真に豊かな自然との共生の生き方をするにはどうしたらよいか考えるべき時に来ていると思います。知恵と勇気を持って新しい自然共生の地域づくり、国造りに踏み出す時です。
私はCOP10の思いはそこにあったと確信しております。自然環境、生物多様性の大切さを世界で共有することができたからこそ、各国の利害を超えたところで愛知ターゲット、そして名古屋議定書に合意することができた。このCOP10の成功を具体的なアクションに、そして具体的な成果へとなんとしてもつないでゆかなければなりません。
今述べた糸魚川の例だけではもちろんありません。COP10でこれだけ生物多様性の重要性がうたわれている目先で、まさに今、貴重な自然が破壊されようとしている事例が残念ながらたくさんあるのが現実です。COP10の最中、例えば「CBD-COP10開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」がだされました。賛同者 国内69団体、海外7団体、個人2名が集まって、生物多様性を破壊する事業として20の事例を掲げ計画の見直しを訴えていました。そこで、副大臣にお聞きします。こうした日本の現状についてどのような認識でいるか。環境省としてCOP10の目標達成のためにも何らかアクションを起こす必要があると考えるがどうか・・・」
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