所属している生活安全・危機管理・消防・情報化社会特別委員会主催の新型インフルエンザに関する勉強会が開催されました。
新型インフルエンザがどれほど恐ろしいものであるか、日本、横浜の備えがどれほど危ういものであるか、今、対策を取らなければ大変なことになることなどなど、痛感する機会となりました。講師は国立感染症研究所の岡田晴恵さん、横浜検疫所の木村もりよさん、横浜市衛生研究所の豊澤隆弘さん。どなたもその道の権威。
多くの発見がありましたが、思いつくまま並べれば・・・
- インフルエンザウイルスの恐ろしさ、人だけでなく動物にも感染するため根絶が不可能であること
- 変異のスピードが桁違いに速く、新型への代替わりも起こるなど免疫のないために、新型については爆発的な感染が起こること
- 感染拡大が恐れられているH5N1のインフルエンザは強毒型鳥インフルエンザであり、全身感染を起こし重症化しやすい、小児、若年成人に患者・死亡者が集中する(サイトカインストームによる)社会構造に大きな影響を与える
- 潜伏期間からウイルスの排泄が始まるため、検疫では止められない。発病前に動きまわることになる
- アフリカなど貧困地域ではインフルエンザに対する対応が不十分である。
- 厚生労働省は機能していない。日本の死者の予測、17~64万人、25%の発症率。これらは弱毒型を想定しての数字となっている。対策もあわせて弱毒を想定(自宅療養を想定)、実際は全身感染であり、病院での処置が不可欠(レスピレーター)
- 致死率60%より、20%が怖い。患者の移動が起こり感染が広がる。
- パンデミックワクチン(ウイルスが特定されてからつくるワクチン)については、日本の場合、完成するまでの6~12ヶ月。カナダ、アメリカでは組織培養の技術が確立されており4~6ヶ月
- プレ・パンデミックワクチン(鳥インフルエンザからつくる)は発症を防ぐことはできないが、全身感染を防ぐことができる、重症化を押さえることができ有効。2000万人分のみ備蓄。国民全員に行き渡らないのが問題。早急に対策を取るべき。原価600円のワクチン。日本以外にも多くの国で必要としている。
- 病院の対応が大変遅れている。早急に整備する必要がある。医師、看護師、設備。これをやってゆくのは、ローカル、地方自治体。国は当てにできない。
- 市民を含め多くの関係者の啓蒙が何より大切、危機意識が低すぎる。また、いざという時の連携にも課題がたくさんある。
ドラスティックに動くことが求められています。横浜市がモデルとなって日本を引っ張ってゆく意気込みで、最重要課題として取り組んで行きます。
写真は講師の岡田さん
プレパンデミック・ワクチンについては、もっと慎重であるべきだと思います。米フォード大統領の失敗を振り返るまでもなく、政治家は特に、かなりのリスクを覚悟しないといけないのではないでしょうか。
米国の失敗というのは、国民へのワクチン接種キャンペーンが空振りに終わり、その一方で副作用としてギラン・バレー症候群が多発してしまった1976年の件です。
投稿情報: 米フォード大統領の失敗 | 2008年6 月27日 (金) 18:08
プレパンデミック・ワクチンについては、もっと慎重であるべきだと思います。米フォード大統領の失敗を振り返るまでもなく、政治家は特に、かなりのリスクを覚悟しないといけないのではないでしょうか。
米国の失敗というのは、国民へのワクチン接種キャンペーンが空振りに終わり、その一方で副作用としてギラン・バレー症候群が多発してしまった1976年の件です。
投稿情報: プレパンデミック・ワクチンと米フォード大統領の失敗 | 2008年6 月27日 (金) 18:17