月曜日に触れた夫婦別姓の続きです。
平成19年1月に公表された内閣府の世論調査の結果では、法改正容認派が36.6%、反対派が35.0%、夫婦同氏制度を維持した旧氏を通称として使用することを認める制度にする通称使用制度化派が25.1%となっています。賛成反対相半ばするといったところです。
賛成派は、別姓の実現により職業上の不利益が解消される、結婚普及率及び出生率の向上、一人っ子同士の結婚による家名の存続が可能となるなどの理由をあげています。一方、反対派は、日本独自の家族形態の崩壊、子供への悪影響、家族の一体感の喪失などを、主な理由としています。いずれの理由も観念的なもので、必ずしも決定的なものとは言い難いような気がします。
また、婚姻届を出す法律婚をきらい事実婚を続けてきた人たちが、夫婦別姓制度が法制化されたからといって婚姻届を出すケースが増えるとは思えませんし、夫婦別姓制度により事実婚が減り法律婚が増えるという根拠も希薄な気がします。氏の問題により事実婚を選択するというデータがない以上、説得力を欠くものと言えましょう。
夫婦別姓制度は、家族の問題の根本にかかわるものです。したがって、別姓を導入することで、今後家族のありかたか変わるのか変わらないのか、変わるとしたらどのように変わるのかを、じっくりと議論する必要があります。まずは、通称使用制度を法制化し、様子を見ながら議論を深めるというのも一つの手ではないかと考えます。職業上の不利益はこの制度により相当解消されることが予想されるからです。賛否拮抗する状況で、一方に舵を切るのは後に禍根を残すことになり好ましいことではありません。
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