政治家同士の議論のただ中にあって思うこと。私たちはもっと謙虚でなければならないのではないか。政治主導、政治家がオールマイティであるかのような考えに違和感を覚えています。
職が見つからず当方にくれる人たちにいま何ができるのか、疲れ果てながら運ばれて来た患者のために全力を尽くす医師、看護士さんのために何ができるのか、かけがえのない自然を守ろうと原子力発電所建設予定地に座り込むお年寄りに何ができるのか、食べ物も飲み水も十分でなく栄養失調で死んでいく地球の裏側の子どもたちのために何ができるのか、いまこの瞬間に命を自ら絶とうとしている人に何ができるのか・・・
経済、社会、国際情勢、環境、何をとっても先の見えない不確実性に満ちた現代において、この国の舵取りをどのように行うのか、道を誤らないようにするために政治家は何をどう考えるべきか。50年後、100年後の世界を想定して決めた道、今を生きる多くの国民の皆さんをどうやって説得するのか。
私たち政治家に課された課題の大きさ、深さの前に思わず立ちすくんでしまうのは私自身の力不足のためか。命をかけると言うが、私たちは少なくとも1億2千万人の日本人の命と生活をお預かりしている。自分の命などいくつかけても足りないのではないか。
一刻の猶予も許されません。何ができ、何をすべきなのか、自問自答しながら前に進みます。
神奈川新聞 2010年9月11日(土)自由の声欄に掲載されました。
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真の政治主導の手法注目
社会福祉士 須田幸隆 66 (横浜市緑区)
管首相は8月末、円高に悩む東京都大田区や福岡県の中小企業を視察。
さらに、兵庫県の更正保護施設や認知症の高齢者支援に取り組む施設などにも足を運びました。首相は現場の関係者の声を聞き、直ちに関係省庁に指示を出しました。
こうした新しい手法に注目しています。いま、社会問題になっている孤立の恐れのある高齢の単身者や夫婦のみ世帯に対する支援では、介護保険の制度改革の中で、成年後見に触れた点に特に関心を持っています。
私たちは長年、成年後見制度の普及・啓発に取り組んでいますが、この制度は単なる財産管理の制度ではなく、判断能力の不十分なすべての市民らの権利を擁護する制度です。制度を利用するには、申し立てや報酬などの面で費用がかかりますが、私たちは、費用負担の困難な人たちであっても利用できるよう、介護保険などでその費用を給付すべきだと主張してきたからです。
官僚主導か政治主導かの議論がありますが、真の政治主導とは、このようなやり方を言うのではないでしょうか。
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投稿情報: 須田幸隆 | 2010年9 月11日 (土) 08:41