福島原子力発電所の事故を受け、科学技術・イノベーション推進特別委員会の原子力委員会への参考人質疑がありました。新設された本特別委員会の質疑のトップバッターを、4月26日チェルノブイリ原子力発電所事故から25年のこの日に務めることにあったこと運命的なものを感じざるを得ません。
原子力委員会ですが、質問を通して大いに問題があることが明らかになりました。今回のような非常事態を受けて、原子力行政のトップの組織としてどういう責務を果たしてきたのか、ほとんど傍観しているにすぎない実態。情報公開が重要、事故原因の検証が必要など、もっともな意見ではありますが、現時点ではそこまで。法律上、事故の対策本部には直接入っていない組織であるとはいえ、あまりに無責任、他人事。意見の内容もあまりにも稚拙ではないか。怒りを覚えます。
原子力政策をどのように今後進めるのか、「国民的議論に基づき」「国民参加」という言葉をどの委員も使いますが、原子力委員会は専門家として原子力の利用に関する的確な判断を下さなければならないはず。国民に独自の見解を示してゆく必要が責務です。国民に迎合するだけの委員会であれば不要です。
原子力委員会は原子力の利用に対してアクセルなのかブレーキなのか。質疑を通して原子力委員会にはブレーキをかけるという発想はないことがわかりました。「人類の福祉と国民生活の向上のために」原子力の研究開発及び利用を推進するというのが原子力基本法第1条。多くの人々の生活を壊し命や健康を害し、地球環境、生物多様性を危機に陥れる原子力発電所。いまこそ、原子力に頼らない社会、国づくりに大きく舵を切らなければなりません。
インターネットで質問も模様をご覧いただけます。多くの方々に原子力行政の実態を確認頂ければ幸いです。
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