菅総理から浜岡原子力発電所の全面停止の要請が中部電力あてに出されました。東海地震の巣の真ん中に位置する浜岡原子力発電所については早くから全面停止を党対策本部、政府に訴えてきましたので(緊急提案書はこちら、2.(1))、一歩前進といえます。しかしながら、総理の説明では防潮堤が完成するまでとの話があり、根本的な問題解決にはなっていない。福島原発の事故については想定外の大津波による電源喪失が原因と説明されていますが、地震の震動による配管類や周辺設備の破壊など、耐震性に関する根本的な問題を指摘する声も大きい。まずは、福島原発の事故原因の徹底的な究明が先決、その結果を踏まえた議論が必要です。
そもそも、原子力発電にまつわるリスクについては多種多様なものが有り、複合的なリスクも考えると想定することは困難ではないか。また、事故が起こりリスクが顕在化したときにはその被害、影響はきわめて大きなものになる。こうしたことを考えると、原子力の利用に関してその理念と価値基準を転換すべき時である考えます。
まずは浜岡原子力発電所を一刻も早く停止すること、原子力発電所の新設増設は全面的に中止し白紙に戻すこと。その先、徹底的な省エネ、エネルギーの有効かつ効果的な配分を実現する社会システムを構築して、原子力発電、化石燃料依存のエネルギー供給から段階的に脱却し、持続可能な再生可能エネルギーを基軸にしたエネルギー供給システムを確立すること。新しい理念と枠組みに基づいて投資やシステム構築を進めることが求められます。こうした議論はまだこれからです。
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